This site hosted by Free.ProHosting.com
Google

言語障害
言語障害について……



言語発達障害

 言語発達遅滞とは発達途上の子供が「予期された時期に、予期された伝達手段を介して、予期された正確さで、情報伝達(コミュニケーション行動)ができない」状態にあること示す大まかな症状名である。
言葉は情緒の安定性を基盤に、他者との人間関係の育成や、表象能力、音に関連する微細な協調運動能力の向上などを要因として発達する。その他に、言葉の発達には子供のもつ様々な能力、記銘力やコミュニケーション活用能力など、が反映される。
 言葉の役割として、幼児・児童期においてはコミュニケーションの道具といったことが一番重要であり、勿論言葉を使っての自己の感情のコントロールや行動の調整といた意味合いも含む。成長に従い、理解や思考場面での役割が増大し、殊に抽象思考には言葉の介在は必要不可欠となる。 乳児は自己の欲求を、はじめは声や視線で訴えるが、次第に指差しのような手段を用い、やがては意味と音声とを結び付けその使用をはじめる。ピアジェ(Jean Piaget, 1896-1980)によれば、言葉の獲得は認知の発達と深い関係にあり、感覚運動期の物の永続性、因果性、手段一目的関係の発達、象徴遊びとの関連が強いという。
 言語と認知が密接な関係を持っていることについては議論の余地は無いのだが、認知が言語の前提条件かという因果関係については、未だ結論が出ていない。昨今では言語の認知発達を基盤にした乳児期におけるコミュニケーション機能が発達したものとして捉える語用論の立場が脚光をあびている。 言葉を発するときには当然、伝えたいという思い(伝達意図)や伝えたい内容(伝達内容)が存在するわけであるが、この語用論の立場では整った言語形態(伝達手段)の獲得よりも、そちらに重きをおいている。これは例えると日本における英語教育の弱さを指摘する立場に似ているといえる。即ち、文法のみを重視するあまり、文法的にはわかるのだが会話は全然こなせないという生徒を作り上げるという事態を招いたのである。語用論でも、語彙や文法を教えるだけでは、実際の活用の場では困難を示す者が多かったという反省点を踏まえて、模擬的な会話場面の設定やインリアルアプローチ等、実際のコミュニケーション場面での発話の中身に直接アプローチする方法が取られている。故に語用論では、人と人との社会的相互作用の重要性を強調し、特に保育者(主に母親)が子供の伝達意図を汲み取り、それを適切な言葉に換えて子供に返していくといった事の重視で、言葉は働きかけの中で育つという要素が大きいという考えに至っている。これも広義には「認知機能を育てていく」という事のひとつの形態と考えても良く、コミュニケーション機能を育て活用することにより、認知機能そのものも高めているということになるのである。

 言語障害の中で最も多く認められるのが言語発達の障害である。しかし、具体的に発達不全な理由は未だ性格な診断が下されておらず、単に知能の遅れとみなされている。従って具体的な指導もなされていない。しかし、発達しないのには、必ず何かしらの原因があり、その原因を正しく把握し対応した治療方法を早期に施せば多大な効果をあげられる。人の脳は満4歳までに7割もの発達をする。この時期までに適切な刺激を計画的に行えば遅れを取り戻すことは夢ではなくなるのである。反対にいえば、時期を逃すとそれだけ取り戻すことは困難を極めることになる。

原因

 以上の原因が単独、或いは二つ以上が複合しているものとがある。

治療対策

 以上のように障害の原因に対応した接しかたがとても重要である。しかし、一人一人の持つ認知や認識の特性やスタイル、知的レベル、興味・関心、性格等を把握することも必要不可欠である。観察、諸検査を通しての情報収集から指導がはじまるのである。



自閉性障害

原因
 自閉症は脳内の広範囲な機能(知覚や認知の処理過程)の障害によるものであることが近年の研究により解明されている。外界からの刺激を受ける感覚器(味覚、臭覚、痛覚、視覚、聴覚、触覚、筋肉運動感覚、平衡感覚など)より送られる情報が脳で抑制されるため、正しく外界の情報を処理することができなくなる。外界からのあらゆる感覚器からの刺激の統合、認知ができないため理解し予測をたてらることができない。そのため、親子関係をはじめとする対人関係が上手く形成できずに集団行動をとることもできなくなる。
 以上のような脳機能障害のために自閉症者は言葉の記憶、理解、適切な使用をすることができないのである。人は言葉を覚えるにあたり他人の動作や表情、声に興味をもち、注意を向け、それに伴い生じる対人関係の形成に基盤をもつのである。
 言葉の習得、使用に当たっては、聴覚からの入力のみでは意味的な理解に基づく習得や使用に困難があっても、視覚的情報との結び付けや暗記力の活用によるパターンとしての入力等により、それが容易になる。TEACCH、行動療法等、システム化した指導の場では勿論のこと、視覚シンボルや絵カード等の使用は障害児学級、養護学級の中でも次第に市民権を得てきている。

治療対策
 まず相手の存在をしらせることにより成熟してきた視覚機能を改善、後に親子関係などの対人関係を形成させなければならない。又、同時に言葉の理解、発音等の言語学習訓練も行わなければ急速な改善は望めない。



選択性緘黙症

原因
 家中や親の近くにいるときは元気で溌剌としており、友人とのコミュニケーションもできるが、家外や学校などの社会の中では元気がなくなり、活動が鈍り友人との話などもできなくなる。又、周りの大人達に強制されると、逆に体を硬くしてより元気がなくなり、声も出なくなる。これらの症状は不安から来るものである。
 この症状の子供は、乳幼児期の人見知り反応が常人よりひどく、その上長期にわたってみられる。又、握力が弱く、運動神経が鈍く、平衡感覚が未発達であるため活発な遊びに参加できない。そのため対人関係が未発達になり、言葉、知能の発達が遅れるのである。

治療対策
 母子関係を基とする対人関係を再構築することにより不安を克服し、その感覚を母から他人へと発展させ社会性を育てる。平衡感覚を発達させ、運動に対する不安、恐怖を取り除き活動性を育てる。言葉の発達、特に自己主張できる言語能力、表現力をつけさせる。又、言葉に対する理解力を育てて知的水準を向上させる。以上の点に焦点を絞っての治療が必要である。そして、この症状の治療には、家族や先生、周囲の大人達の協力無しには成り立たない。しかも、年齢が増すにつれて治療は益々困難なものとなるので、早期の治療が大切なのである。
 家庭においては強制、命令の類は極力避ける。家庭内で出来ることが全て家外でも出来るとは限らないことを頭にいれ、常に不安を取り除いてやるように優しく対応する。どうしても母子分離できない場合は無理に引き離さなくても良い。


BACK