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航空業界 @ − サウスウェスト航空はウワサ通り安い

 

Jan 8, 2000 

*以下の料金はあくまで目安です。当然のことながら、時期や便によって変動します。

昨年、サンフランシスコ国際空港を利用した際にサウスウェスト航空の発券カウンターを訪れた。ロサンゼルスに行こうと思っており、またアメリカに来てからサウスウェスト航空に興味があったからだ。

サンフランシスコ―ロサンゼルス間は、アムトラック(半官半民の鉄道会社)が所要時間12時間で$43、グレイハウンド(全米唯一の長距離バス)も約12時間で$34。かかる時間は大差ないが、アムトラックのコーチ(普通座席車)のシートは飛行機の国際線のビジネスクラス並みの大きさとシートピッチを誇る。が、運行本数はグレイハウンドの方が断然多く、使い勝手はいい。とは言え、いずれにせよ所要時間12時間はいささかキツい。なんせ、行ったら最後帰ってこなければならないのだから。やはり飛行機のほうがラクだ。

しかし、飛行機は高いだろうと思っていた。以前聞いた話では、UAが片道$70のチケットを出しているそうだ。$70あればグレイハウンドで往復できる。しかし、昨今話題のサウスウェスト航空はどうか。格安キャリアとして利用客が急増しているそうだ。早速、料金を聞いてみる。すると・・・驚くべき答えが返ってきた。

ロサンゼルスまで、サンフランシスコ発の便はないそうだが、オークランド(サンフランシスコと海を隔てた対岸の街)から1日10往復ほどフライトがあるそうだ。2週間前までに予約が必要になるが、往復で$100。ユナイテッド航空が対抗策として同じ2週間前までの予約で$140というチケットを売り出している。

ウワサ通り、サウスウェストはかなり安い。例えば、同じ2週間前までの予約のチケット、往復料金で、オークランド―シアトルが$130、オークランド―サンディエゴが$100、オークランド―ソルトレイクシティが$140、オークランド―ラスベガスが$134、ロサンゼルス―ラスベガスが$78となっている。オークランドを基点として、西海岸の主要都市まで100ドル強もあれば往復できてしまうのだ。

また、西海岸から東海岸までの往復は大体$199で統一されている。曜日指定・時間帯指定等、路線によって多少の違いはあるが、最も安いレートを利用した場合、直行便で$200を上回ることはない。

ただ、問題となるのは、サウスウェストはコスト削減のために、ダウンタウンから若干離れた空港を拠点としている場合が多い。ニューヨークならばメジャーな国際空港ではなくちょっと離れたIslipを、またワシントンDCの場合はBaltimoreを拠点としている。が、勿論ダウンタウンまでの交通手段はあるのだから、多少の不便さに目をつぶれば利用価値は極めて高い。

驚いたのは料金ばかりではない。各航空会社が利用客の囲い込み政策として活用するマイレージプログラムをサウスウェスト航空も採用しているのだが、これがまたすごい。99年12月末までのサービスとしてダブルクレジットキャンペーンを繰り広げている。サウスウェストのマイレージプログラムは搭乗距離(マイル)ではなく搭乗回数をカウントする。つまり、オークランドからロサンゼルスまで往復しても、東海岸まで往復しても1往復は2回のフライトとして数える。通常は8往復で1往復分の航空券がもらえるのだが、今はサービス期間中だからダブルクレジット(搭乗回数をボーナスとして2倍計算)となり、4往復で1往復分の無料航空券がもらえる。西海岸を4往復したら東海岸までの航空券が1往復分もらえることになる。実際にやったことがないから本当にそれが許されるかは分からないが。ただし、これはインターネット上から予約した場合に限られる。

でも、これは画期的なことだ。通常は搭乗マイル数で計算されるから、なかなか貯まらない。日本の航空会社の場合、全日空が15000マイル、日本エアシステムが10000マイルで東京―大阪間の無料航空券を出している。東京―大阪間の航空券をもらうのに同じ区間をかなり往復しないといけない計算になる。サウスウェスト航空の健闘ぶりが顕著だ。

以前、ある日本の航空会社の社員のコメントで「マイレージプログラムは自分で自分の首を絞めているのと同じ、できれば3社そろって同時になくしたい」ということを耳にした。ではサウスウェストはどうかというと、今期も増収増益を確保、自社のタイムテーブルやWEB上で大規模に求人広告を出している。

日本からアメリカまで太平洋路線を就航している米系大手4社(ユナイテッド・アメリカン・デルタ・ノースウェスト)は米国内でゾーン制運賃を採用している。これは日本からアメリカまで飛んできたら、アメリカ国内の一定のゾーン内(大抵は西と東、場合によっては中部も入れた2−3ゾーン)なら4−5都市まで同一料金で滞在できるとしたものだ。確かにこれも安いのだが、ゾーン制運賃はかなり制約が多い。

例えば・・・区間の変更が基本的に認められない、同一都市での滞在も基本的にはダメ、バックトラック(逆向きにフライトすること)はほぼ例外なくダメ、同じ航空会社の路線でもフライトナンバーによって利用できない便・区間が多い、滞在する都市数が規定内でもトータルのマイル数が規定の上限マイル数を超える場合はルートの組みなおしを余儀なくされる・・・などと複雑怪奇な制約が多々あり、日本出発前によほど綿密にルートを組んでおかないと後で後悔することになる。また、予約をいれておきながら途中区間のフライトをカットすると、原則として後のフライトが使えなくなるそうだ。例えば、ニューヨーク―マイアミ―サンフランシスコと飛ぶ予約を入れていたのに、実際にはニューヨークからサンフランシスコまでアムトラックなどで行き予約したフライトを使わないと、サンフランシスコから先のフライトの予約取消しどころか航空券自体が無効になってしまう場合もあるというとんでもない条件まである。安い代わりに利用者の都合などは取り入れられない。

そう考えたら、アジア系の航空会社でアメリカまで行き、サウスウェスト航空をうまくつかいこなせば、時期やタイミングによってはそれが一番安上がりになる可能性は高い。同じ時期のアメリカ西海岸までのチケットが、アジア系は3万円台後半、米系は5万円台から6万円台で売られていることも珍しくない。行き先や日程次第では、ゾーン制運賃よりもずっとお値打ちに、利用勝手の良いチケットで旅をすることができる。ただし、サウスウエスト航空も往復での利用が割引運賃の基本条件だから、時間がない人達はゾーン制運賃を使うほうが便利だ。

アメリカに旅行をされる皆さま、特に長期でアメリカに滞在される方、サウスウェスト航空なんかも検討してみてはいかがでしょうか。