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留学 B − 助け合いの精神

 

Jan 10, 2000 

3月に1ヶ月ほどマイアミの語学学校に滞在した後、西海岸に移動した。サンフランシスコ郊外のオークランドという街。そこに9ヶ月という時間を過ごした学校はあった。サンフランシスコからオークランドまではACトランジットなるバスが走っている。

このバス。アメリカの大都市から郊外へ向かうバス(大都市でもそういうバスを走らせている所はあるらしいが・・・)は運転席の隣にエレベーター(昇降機)付きの、いわゆる「リフトバス」を走らせている。バスの前方の席が、車椅子の乗客の為にスペースを確保できるように収納式になっている。昇降機を利用する車椅子の方々が乗って来られたら、真っ先に前方のベンチシートを収納して車椅子を車内に備え付けの補助ベルトでしっかり固定するのがルールになっている。

今日の新聞に、「車椅子でのバス利用、1人でもOK」という見出しの記事が載っていた。今までは運輸省の通達に従って、車椅子の方がバスを利用する時には介助者が必要だとする項目があったのだが、今回の通達でそれを廃止にして1人でもバスに乗れるようにするとのことだった。

何だか、対応が鈍すぎる。私が大学に行く時にお世話になる神戸市交通局も、一昨年、市バスにリフト付きバスを導入した。山陽電鉄バスとの共同運行路線では、山陽電鉄バスもリフト付きバスを導入している。確かに、低床式のバスで乗降もしやすい。でも、いかんせん本数が少なすぎる。新型バスの絶対数が足りないのだろうから仕方が無いのだが、もう少し本数を増やせないものfだろうか?

アメリカでは当たり前のリフトバス。年齢性別問わず犯罪発生率の高いオークランドでも珍しく高く評価できるポイントがこれである。車椅子とか障害者の方が乗降するのにリフトを使うと、それだけで結構時間がかかる。手順は・・・

車椅子の方がバス停の横にいるのを確認すると、まずドアを開けてから車高を落とし、次にゆっくりとリフトを出して車椅子の方をリフトに乗せる。安全に乗ったか確認できたらゆっくりとリフトを上げ、リフトを車内側に動かして車椅子を車内に乗せる。そしてバスの運転手が前方のベンチシートを収納し、車椅子をベルトで固定して動かない事を確認する。そこまでしてやっとドアを閉め、車高を元の高さに戻し、バスを出発させる。この一連の作業が大体5分ぐらいを要する。

車椅子の乗客の数が多いバスには時刻表は存在しない。もともと時刻表など存在しても無に等しいオークランドで、その時の乗客次第でバスの所要時間はさらに変わって行く。運行スケジュールに異常なまでに几帳面な日本の交通機関にとっては考えられない事だと思うが、それがアメリカでは現実。オークランドでまず感心したのが乗客の態度。車椅子の方が乗ってこられると、前方のベンチシートに座ってる乗客はイヤな顔一つせず席を譲る。席を譲るという道徳が希薄になってきている日本では信じられない事かも知れないが、大方の乗客は笑顔で席を譲る。それが生きる上での「ルール」になっている以上、譲る事が当たり前になっているのだと思う。さらに、車椅子の方々の乗降で時間を要しても、あまりイヤな顔をした人を見たことが無い。同じ車内で、アジア人では露骨に不快感を示す乗客が多々見受けられたが・・・現地の人々は当たり前とばかりに気にも留めていない。

ちょっとしたことだけど、これはすごいことだ。こんなことを当たり前だと思うオークランドの人々。一方、白昼堂々とアジア人相手に強盗をやってみせる(韓国人の友達が昼間から高校生ぐらいの若者7−8人の強盗に遭遇した。幸いに逃げたから被害は無かったが・・・)オークランドの人々。本当に、何が常識なのか良く分からない国だ。